高配当株を始めた理由を聞かれたら、「不安だったから」としか答えられません。
値上がり益がほしかったわけじゃない。FIREを目指していたわけでもない。
パニック障害で体を壊して、「このまま働けなくなったら、どうなるんだろう」と思った時、毎月どこかからお金が入ってくる仕組みが、ただほしかった。
この記事では、50代でパニック障害を経験し、退職を意識し始めた私が、なぜ高配当株にたどり着いたのか。初めての配当金をもらった時に何を感じたのか。そして退職後の今、どうやって向き合っているのかを、正直に書いていきます。
投資のテクニックや銘柄選びの話ではありません。「不安だった人間が、不安のまま始めた投資の話」です。


パニック障害になって「お金の不安」が一気に押し寄せた
通勤電車の中で、突然息ができなくなりました。
心臓がバクバクして、視界がぼやけて、「このまま倒れるかもしれない」と本気で思いました。パニック障害の最初の発作でした。
その日から、通勤が怖くなりました。満員電車に乗るたびに「また発作が来るんじゃないか」と体がこわばる。仕事中も、ふとした瞬間に動悸がする。
体調が戻らない日が続くうぁ�「お金の不安」が一気に押し寄せた
通勤電車の中で、突然息ができなくなりました。
心臓がバクバクして、視界がぼやけて、「このまま倒れるかもしれない」と本気で思いました。パニック障害の最初の発作でした。
その日から、通勤が怖くなりました。満員電車に乗るたびに「また発作が来るんじゃないか」と体がこわばる。仕事中も、ふとした瞬間に動悸がする。
体調が戻らない日が続くうちに、頭の中にずっと浮かんでいたのは、「この体で、あとどれくらい働けるんだろう」ということでした。
管理職として毎日会社に行っていた頃は、給料が止まるなんて想像もしていませんでした。でも体が動かなくなると、一気に現実が変わります。
傷病手当金という制度があることは、自分で調べて知りました。それでも不安は消えなかった。「手当が終わったら、どうなる?」「貯金で何年持つ?」「再就職なんてできるのか?」
不安が不安を呼ぶような毎日でした。
お金のことが頭から離れない。でも、体は思うように動かない。そのギャップが、いちばんつらかったかもしれません。


高配当株にたどり着いた理由|「毎月入る」が唯一の安心材料だった
インデックス投資だけでは「毎月の安心」が得られなかった
お金の不安を何とかしたくて、最初に手を出したのはインデックス投資でした。
新NISAでeMAXIS Slimを積み立てて、長期で資産を増やす。本やYouTubeで勉強して、「これが正解だ」と思っていました。
そんな違和感の言語化を助けてくれた1冊がこちらです。
📘 新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資(配当太郎)
でも、しばらく続けるうちに気づいたことがあります。
含み益は増えていく。画面上の数字は右肩上がり。でも、それは「使えないお金」でした。
売らないと現金にならない。売ったら、元に戻せない。
体調を崩して「来月の生活費が心配」という状況の中で、含み益を眺めても安心はできなかったんです。
私が本当にほしかったのは、「画面の数字が増えること」ではなくて、「毎月、口座にお金が入ってくること」だったんだと思います。
※インデックス投資だけでは足りないと感じた経緯は、別の記事で詳しく書いています。
「配当金が入ってくる」という事実がほしかった
そこから高配当株に目が向きました。
利回りが何%とか、セクター分散がどうとか、正直そこまで考えていませんでした。
ただ、「何もしなくても、お金が入ってくる」という仕組みがほしかった。
金額の大小よりも、「止まっていない」という感覚。給料が止まるかもしれない恐怖の中で、たとえ少額でも「入ってくるものがある」という事実が、唯一の安心材料でした。
退職前、まだ会社に在籍しているうちから、少しずつ高配当株を買い始めました。当時の自分にとっては、「不安に対して何かをしている」という行動そのものが、心の支えだったんだと思います。

初めての配当金は「え、これだけ?」だった
初めて証券口座に配当金が入った日のことは、今でも覚えています。2025年の5月でした。
口座を開いて確認した時の金額は、1,016円と957円。合わせて約2,000円。
正直な感想は、「え、これだけ?」でした。
YouTubeやブログで「配当金で月○万円」「年間配当○○万円」という数字を見ていた分、自分の口座に入った金額を見て、現実を突きつけられた気がしました。
「配当金生活なんて、遠すぎる」
そう思いました。
でも、数日経って気づいたんです。
あのお金は、私が何もしなくても入ってきたものだった、ということに。
会社に行かなくても、体調が悪くても、寝ていても、口座にお金が入っていた。
それは、貯金を崩して生活費に充てるのとは、まったく違う感覚でした。
貯金は減っていく一方です。使うたびに残高が減る。それを見るたびに不安になる。
でも配当金は、少額でも「入ってくるお金」です。減るのではなく、増える方向のお金。
金額は小さかった。でも、「止まらない収入がある」という事実は、想像以上に大きな安心感をくれました。
あの時の「これだけ?」という気持ちと、「でも入ってきた」という気持ち。両方ともが、今の自分の投資を支えている原点だと思います。


退職後の今、余剰資金ができたらやっていること
余剰資金ができたら、保有バランスを見ながら追加投資している
退職した今も、高配当株への投資は続けています。
とはいえ、毎日のように買っているわけではありません。
まずは生活費をしっかり確保する。その上で余剰資金ができたタイミングで、高配当株に回す。それが自分のルールです。
追加投資をする時には、保有している銘柄やセクターの比率を確認します。「この業種に偏りすぎていないか」「配当利回りが下がっている銘柄はないか」。そうやってバランスを見ながら、どの銘柄に追加するかを決めて、指値で注文を入れる。
派手な売買ではありません。「余裕のある時だけ、考えて買う」。それだけです。
でも、この「自分のペースで投資と向き合える」という感覚が、退職後の不安を少しずつ和らげてくれている気がします。
会社員の時は、給料日に自動で積み立てるだけでした。今は自分で考えて、自分で判断して、自分で買う。その一連の行動が、「自分の生活を自分でコントロールしている」という感覚につながっているのかもしれません。
ChatGPTに壁打ちして「分散しすぎ」に気づいた
実は、高配当株を始めた最初の頃は、かなり手当たり次第に買っていました。
「あの銘柄も利回りが高い」「この銘柄もいいらしい」。気づけば、単元未満株で90銘柄以上に分散していました。
1銘柄あたりの投資額は小さい。配当金もバラバラ。管理が追いつかない。「分散投資」のつもりが、ただ「散らかっているだけ」だったんです。
転機になったのは、ChatGPTに保有銘柄のリストを見せて相談したことでした。自分の目的を言語化してみたら、「配当金の総額を増やすこと」だとはっきりした。そこから90銘柄を24銘柄に整理して、特定の銘柄に集中する方針へ転換しました。
この経験があるから、今も追加投資をする時には必ず「保有比率を確認してから買う」という習慣ができています。
※90銘柄→24銘柄に絞ったプロセスや、ChatGPTとどうやって壁打ちしたかの詳細は、別の記事にまとめています。
株価が下がっても「配当が入る」から持ち続けられる
高配当株を持っていると、当然、株価が下がる日もあります。
2024年の夏に相場が大きく動いた時は、さすがにドキッとしました。評価額がガクッと下がって、「売ったほうがいいのかな」と一瞬思いました。
でも、その時に自分を支えてくれたのが、「配当は変わらず入ってくる」という事実でした。
株価は上がったり下がったりする。でも、配当金は企業が減配しない限り、決まった時期に口座に入ってくる。
その「入ってくる」という安心感があるから、値動きに一喜一憂しなくなりました。
もちろん、減配リスクはゼロではありません。でも、「株価が下がった=損した」ではなくて、「株価が下がった=同じ配当利回りの株が安く買える」と考えられるようになったのは、自分にとって大きな変化でした。


高配当株は「不安への小さなお守り」だと思う
高配当株を始めたことで、不安がなくなったかというと、そんなことはありません。
退職後のお金の心配は、正直、今もあります。「この生活をいつまで続けられるのか」「想定外の出費があったらどうしよう」。そういう不安は、たぶんなくならない。
でも、「毎月、配当金が入ってくる仕組みがある」という事実は、確実に自分を支えてくれています。
大きな金額ではありません。配当金だけで生活できるわけでもない。
でも、お守りって、そういうものだと思うんです。
持っているだけで、少しだけ安心する。「何もない」のと「小さくても何かある」のでは、気持ちがまったく違う。
高配当株は、自分にとって「不安への小さなお守り」です。

まとめ|高配当株は「不安な人ほど向いている」と思う理由
値上い益を狙う投資と、配当金で安心感を得る投資は、目的が違います。
私は後者でした。「増やしたい」よりも、「入ってくる安心がほしい」。その気持ちが、高配当株にたどり着いた理由のすべてです。
不安を抱えたまま動くのは、怖いです。でも、不安が消えるのを待っていたら、いつまでも動けない。
高配当株は、不安を消してくれるものではありません。でも、不安を抱えたままでも「小さく動ける」手段の一つだと、自分の経験から思っています。
もし今、お金の不安を感じている方がいたら。まずは少額から、「入ってくる仕組み」を作ってみてください。金額は小さくていい。その「入ってきた」という事実が、きっと少しだけ支えになります。

この記事で紹介した内容の詳細は、以下の記事でまとめています。

