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任意継続は途中でやめられる|退職2年目に向けて国保の保険料を試算してみた

任意継続は途中でやめられる|退職2年目に向けて国保の保険料を試算してみた 退職前後の手続き
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2026年3月末に退職してから、この記事を書いた2026年9月の時点で5か月ほどが過ぎました。健康保険は、退職したときに任意継続を選び、いまも同じ健保に加入しています。

任意継続に入れるのは最長2年です。ただ、2年を待たずに、自分の申し出でやめることもできます。

では、2年目に入るときに国民健康保険(国保)へ切り替えたら、保険料はいくらになるのか。調べてみたら、金額そのものは、切り替える前でも自分で試算できることが分かりました。

退職したときに任意継続と国保で迷った話は、退職後の健康保険、任意継続と国保で迷った50代の話に書いています。この記事は、その次の段階の話です。

この記事でわかること

  • 任意継続は、2年を待たずにやめられること
  • 国保の保険料が「いつの所得」で決まるのか
  • 自分の自治体の料率で、保険料を試算する手順
  • 退職金・傷病手当金・失業手当・株の利益が、計算に入るのかどうか
  • 自己都合の退職でも、軽減の対象になる場合があること

読み終えたら、次のことを自分のケースで確認できます。

  • 自分の国保の保険料が、切り替える前におおよそいくらか
  • 任意継続と国保を比べるとき、何と何を並べればいいか

退職2年目を前に、任意継続のままでいいのか考え始めました

任意継続の保険料は、退職したときの標準報酬月額をもとに決まります。そして、その額は原則として2年間変わりません。

一方、国保の保険料は前年の所得で決まります。

退職した年は、前年がまるまる在職中です。だから退職1年目に国保を選ぶと、在職中だった前年の所得で保険料が計算されます。私が1年目に任意継続を選んだのも、そこが理由のひとつでした。

ところが2年目になると、前提が変わります。

2年目は、計算に使われる前年の所得が変わるんだね。

任意継続の保険料を最初に振り込んだときのことは、退職後10日間のリアルに書いています。

任意継続は、2年を待たずにやめられます

これは、私が調べるまで知らなかったことです。

以前は、任意継続を途中でやめる正規の方法がありませんでした。「保険料をわざと払わない」という形しかなかったのです。

それが2022年(令和4年)1月から変わりました。健康保険法の改正で、資格を失う理由に「本人が任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を申し出たとき」が加わっています。

つまり、本人の申し出でやめられます。ここは制度として共通の部分です。

手続きのやり方は、加入している健保によって違います

気をつけたいのは、制度としてやめられることと、実際の手続きのやり方は別だということです。

たとえば全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合は、「任意継続被保険者資格喪失申出書」を提出し、受理された日の属する月の翌月1日に資格を失う、という案内になっています。この場合、4月1日にやめたいなら3月中に出すことになります。

ただしこれは協会けんぽの案内です。健康保険組合の場合は、書式の名称も、締切も、提出方法も違うことがあります。

書式や提出期限、提出方法は、加入している健康保険(協会けんぽ/健康保険組合)に確認してください。

本人の申し出による資格喪失については、全国健康保険協会「資格の喪失について」に、喪失事由のひとつとして記載されています。

国保の保険料は「前年の所得」で決まります

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

国保の年度は4月から翌年3月まで。そして保険料の計算に使うのは前の年の1月から12月までの所得です。

保険料の年度 計算に使う所得
2026年度(2026年4月〜2027年3月) 2025年1月〜12月
2027年度(2027年4月〜2028年3月) 2026年1月〜12月
2028年度(2028年4月〜2029年3月) 2027年1月〜12月

年度が4月始まりなので、1年ちょっと前の所得で決まる、というズレが生まれます。

3月末に退職した場合、その年の給与は1月から3月までの分しかありません。それが翌年度の保険料に反映されます。

計算に使えない控除があります

もうひとつ、知っておくとよいことがあります。

国保の計算で所得から引けるのは、原則として基礎控除43万円だけです。生命保険料控除・社会保険料控除・医療費控除・扶養控除などは引けません。所得税や住民税とは、ここが違います。

「前年の所得で決まる」という仕組みは、住民税も同じです。退職した年の6月に納税通知書が届いたときのことは、退職後に住民税の納税通知書が届いた話に書きました。

モデルケースで、国保の保険料を計算してみます

ここから実際に計算します。

最初にお断りします。保険料の率も、均等割・平等割の額も、自治体ごとに違います。以下は私が住んでいる自治体の令和8年度の料率で計算したものです。全国共通の数字ではありません。必ずご自身の市区町村の公式ページで確認してください。

計算の骨格

  • 所得割=所得に比例してかかる部分
  • 均等割=加入者1人につき定額でかかる部分
  • 平等割=1世帯につき定額でかかる部分(採用していない自治体もあります)

さらに、それぞれが医療分・後期高齢者支援金分・介護分(40歳以上65歳未満の場合)に分かれています。

4ステップで計算します

  1. 前年の給与収入から給与所得を出す(給与所得控除を引きます。控除額は収入によって変わり、令和7年分以降は収入190万円以下なら65万円。それより多い場合の計算式は国税庁「No.1410 給与所得控除」の速算表で確認できます)
  2. 給与所得から基礎控除43万円を引く(これが課税対象の所得)
  3. 課税対象の所得に、所得割の率をかける
  4. 均等割と平等割を足す

モデルケース

条件:40歳以上65歳未満・その世帯で国保に入るのは1人・介護分あり。私が住む自治体の令和8年度の料率で計算しています。

前年の給与収入 給与所得 課税対象の所得 年間の保険料 月あたり
100万円 35万円 0円 約56,800円 約4,700円
200万円 132万円 89万円 約160,800円 約13,400円
300万円 202万円 159万円 約242,500円 約20,200円
400万円 276万円 233万円 約328,900円 約27,400円
500万円 356万円 313万円 約422,400円 約35,200円

この表の金額は「令和8年度の料率」で計算したものです。保険料の率と均等割・平等割の額は毎年見直されます。実際に切り替える年度の料率は、この表とは変わる可能性があります。この表の金額を「来年の自分の保険料」として読まないでください。この表の使い道は、金額そのものではなく計算のしかたを知ることです。

前年の収入が100万円のケースでは、給与所得35万円が基礎控除43万円を下回るため、所得割がゼロになります。それでも均等割と平等割は残るので、保険料はゼロにはなりません。

自己都合の退職でも、軽減の対象になる場合があります

国保には、自己都合で退職した人には関係のない制度だと思っていたものがあります。調べてみると、そう単純ではありませんでした。

国保には非自発的失業者に対する軽減があります。対象になると、給与所得を30%とみなして保険料を計算してもらえます。

対象になる離職理由コード

多くの自治体が、対象を次のように案内しています。

  • 離職日の時点で65歳未満
  • 離職理由コードが 11・12・21・22・23・31・32・33・34 のいずれか

ここで大事なのは、33と34が「正当な理由のある自己都合退職」にあたるということです。厚生労働省は、特定理由離職者の例として、体力の不足や心身の障害、疾病、負傷などによる離職を挙げています。(ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」)

つまり、自己都合の退職でも対象になる場合があります。

最終的に見られるのは、受給資格者証のコードです

軽減の判定に使われるのは、ハローワークが出す「雇用保険受給資格者証」または「受給資格通知」に記載される離職理由コードです。

厚生労働省の業務取扱要領にも、最終的な離職理由の判定や、特定受給資格者・特定理由離職者の判断は、住所地を管轄するハローワークが行うと書かれています。

軽減の期間と、申請

  • 期間:離職日の翌日が属する月の年度から、その翌年度末まで(最大2年度)
  • 申請が必要です。自動では適用されません
  • 必要なもの:雇用保険受給資格者証または受給資格通知

ここまでは制度の話です。私自身については、現時点で軽減の対象と確定していません。受給資格者証の離職理由コードをまだ確認できていないためです。そのため、この記事の試算はすべて「軽減がない前提」で計算しています。

退職金・傷病手当金・失業手当・株の利益は、どう扱われるのか

私がいちばん知りたかったのは、ここでした。

収入 国保の計算に入るか 理由
退職金(一時金で受け取った場合) 入らない 退職所得は分離課税で、総所得金額等に含まれないため
健康保険の傷病手当金 入らない 非課税所得のため
雇用保険の失業手当(基本手当) 入らない 非課税所得のため
特定口座(源泉徴収あり)の配当・売却益で、確定申告しなかったもの 入らない 申告不要を選ぶと総所得金額等に算入されないため
上記を確定申告した場合 入る 総所得金額等に算入されるため
退職金を年金形式で受け取る場合 入る 雑所得になるため

令和6年度から、使えなくなった選択があります

以前は「所得税は確定申告して還付を受け、住民税は申告不要を選んで国保への影響を避ける」という使い分けができました。

令和6年度から、住民税の課税方式は所得税と一致させることになりました。この使い分けはできません。

なお、上場株式等の譲渡損失の繰越控除などのために確定申告をする場合、同じ特定口座(源泉徴収あり)で受け取った配当等も一緒に申告することになります(国税庁「No.1476 特定口座制度」)。

退職した年の税金と所得については、ふるさと納税をどう考えたかにも書いています。

任意継続と国保、比較するときに見るポイント

ここで「国保のほうが安い」とは書きません。人によって答えが変わるからです。

任意継続 国民健康保険
保険料の決まり方 退職時の標準報酬月額 前年の所得
2年目の保険料 原則そのまま 前年の所得しだいで変わる
家族の扱い 被扶養者は保険料がかからない 加入者1人ずつ均等割がかかる
入れる期間 最長2年 制限なし
やめ方 本人の申し出で可(2022年1月〜) —
軽減 — 所得が少ない世帯への軽減、非自発的失業者の軽減など

比べるときに、自分の数字で出しておきたいのは次の4つです。

  1. いま払っている任意継続の保険料(毎月の額)
  2. 国保にした場合の保険料(前年の所得から試算した額)
  3. 扶養している家族がいるか(いる場合、国保では人数分の均等割がかかります)
  4. 軽減の対象になるか

特に3番目は影響が大きいところです。扶養家族がいる場合、任意継続のほうが有利になることがあります。

私はまだ切り替えていません。切替時期までに判断します

正直に書いておきます。この記事の時点で私がやったのは、計算のしかたを確認したことだけです。まだ切り替えていませんし、切り替えると決めてもいません。

まだ分かっていないことが、いくつも残っています。

  • 切り替える年度の保険料率(毎年見直されるので、まだ確定していません)
  • 軽減の対象になるかどうか(受給資格者証の離職理由コードを確認できていません)
  • 軽減をあとから申請した場合、決まった保険料をさかのぼって計算し直してもらえるか

切替の時期までに、市区町村の国保の窓口と、加入している健保に確認するつもりです。

まとめ|退職2年目の保険料は、切り替える前に試算できます

  • 任意継続は2年を待たずにやめられます(2022年1月から。書式や締切は加入している健保に確認を)
  • 国保の保険料は前年の所得で決まります。だから、切り替える前に自分で試算できます
  • 計算は所得割+均等割+平等割。所得から引けるのは原則基礎控除43万円だけです
  • 退職金・傷病手当金・失業手当・申告しない株の利益は、計算に入りません
  • 自己都合の退職でも、軽減の対象になる場合があります(判断するのはハローワーク)
  • どちらが安いかは人によって違います。自分の数字を並べて比べてください

保険料の率も均等割の額も自治体ごとに違い、毎年見直されます。この記事の金額は、私が住む自治体の令和8年度の料率で計算した目安です。実際の金額と手続きは、お住まいの市区町村の国保窓口と、加入している健保にご確認ください。

この記事で参考にした公式情報

この記事を書くにあたって確認した、公式の情報です。制度は変わりますので、判断する前にご自身で最新の内容をご確認ください。

保険料の率・均等割・平等割・軽減の判定基準は、自治体ごとに違います。そのため、ここに全国共通のリンクは置けません。「(お住まいの市区町村名) 国民健康保険 保険料」で検索し、必ず公式サイトの最新年度の案内をご確認ください。軽減の申請方法や、あとから申請した場合の取り扱いも、自治体の窓口で確認できます。

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